【大阪大学ローバース】 大阪・関西万博2025に参加しました!

概要
大阪大学ローバース(以下、阪大ローバースとする。)は、団体独自の長期プロジェクトとして「海ごみアート教育プロジェクト」を行ってきました。そして、2022年に始まったこの活動には大きな1つの目標であり通過点となるものがありました。
それが、
「『大阪・関西万博2025(以下、万博とする。)』に参加して活動を広めること」
です!
そのようなプランの下活動してきて、遂にやってきた2025年。我々阪大ローバースは、この目標を、9月21日に万博に参加してブース展示・発表を行うという形で達成することができました!!!
そして本記事では、阪大ローバースが行っている「海ごみアート教育プロジェクト」がどのような経緯のもと万博に参加することとなったのかについて、阪大ローバース第5期代表(任期:2024年9月~2025年8月)がご紹介したいと思います。(主観的視点も混じっているため自己紹介させて頂きました。ぜひあなたも万博会場で発表を聞いている来場者の一員になったつもりで海ごみアート教育プロジェクトを追いかけてくださると幸いです。)

「海ごみアート教育プロジェクト」
では、そもそも「海ごみアート教育プロジェクト」とはどのような活動なのでしょうか?
2022年に、阪大ローバース独自の奉仕活動をしてSDGsに貢献できないかとという想いからはじめたのが「海ごみアート教育プロジェクト」です。それゆえ、「海ごみアート教育プロジェクト」とは、一言でいえば、阪大ローバース独自の環境奉仕活動です。それまで海ごみをリユースする(アートにする)活動は、他の地域でも、慈善団体・アーティストの活動のひとつとして行われていました。しかし、我々阪大ローバースは、ボーイスカウトの教育団体ノウハウを取り入れることで、独自の「教育プロジェクト」として広く社会一般の人と取り組めるようにしました。そして、この活動を通して、社会全体の海ごみについての環境問題意識を増加させ、大きなムーブメントとして自然環境を改善していくという目的を達成したいと考えています。これにより特にSDGs14「海の豊かさを守ろう」に貢献できると考えています。また、その目的を達成するための具体的な最終目標は、一般的に教育団体やボーイスカウト団体が取り組めるような教育プログラムを策定することとしています。
加えて、本活動はWOSM(世界スカウト機構)が主宰している「Earth Tribe」にも参画しています。(Earth Tribeについては下の動画参照)
普段の活動内容としては、「海ごみを拾う」「海ごみをアートにする」という2つのフェーズのワークショップを行っています。そして、ワークショップ参加者からのフィードバックや我々スカウト側の自己評価をもとにワークショップの開催方法についての反省・改善をします。そして、最終的により最適なものが教育プログラムとして定式化される予定です。もちろん、実際にワークショップを行うことで、環境奉仕活動に具体的に貢献するという意味もあります。
「海ごみを拾う」ワークショップでは、海岸に流れ着いた海ごみを回収・洗浄・乾燥します。「海ごみをアートにする」ワークショップでは、拾った海ごみを用いて、海ごみと紙粘土や写真立てを組み合わせ、自分なりの作品を作ってもらっています。同じ団体に対して2日間活動日程を企画して「海ごみを拾う」ワークショップと「海ごみをアートにする」ワークショップを開催したこともありますし、「海ごみをアートにする」フェーズだけを体験してもらったこともあります。活動開始から今までの約3年間で、約11回のワークショップを開催し、276人程度の子どもたちが参加してくれました。また、約10キロのごみをアート作品に昇華することができました。

【過去のワークショップの様子】

【実際の作品(写真立てを装飾したもの)】

「海ごみアート教育プロジェクト」の利点
次に、「海ごみアート教育プロジェクト」の具体的な利点(特徴)についてお話しします。
①子どもをターゲット
子どもをターゲットにすることで、ボーイスカウトの教育プログラムとしてのノウハウを活かすことができています。例えば、年齢に合わせた教育法の活用など、ボーイスカウト教育のエッセンスをちりばめることができます。また、子どもから家庭を通じて大人・社会全体へと環境問題への意識を向上してもらうことも狙っています。そのために、子どもたちの記憶にワークショップが強く残るよう、子どもたちが「自ら考え創造する」ワークショップ設計を心がけています。
②ローバーの「他者への奉仕」の達成
ローバースカウトの大きな目標のひとつとして「他者への奉仕」があります。そして他者に対して奉仕を行うためには、自己の成長が欠かせません(そのためにボーイスカウトでは日々技能や精神を訓練していると思います)。その点、この海ごみアート教育プロジェクトでは、自分たちで計画して改善を図るので、自身も成長しながら他者(社会や環境も含む)に貢献できるような活動になっています。
③ボーイスカウトのEarth Tribeに基づく活動
前述した通り、本活動はWOSMが提供しているEarth Tribeにも登録しています。これを行うことによって、この海ごみアート教育プロジェクトがボーイスカウトのネットワークを活用した世界的な活動へと昇華されると考えています。また、今後、海外展開していく際にも、このことが架け橋のひとつになるのではないかと思います。
④「アート」であること
海ごみアート教育プロジェクトでは、最終的に海ごみをアートにしてもらうわけですが、アートがなぜ環境問題への意識向上につながるのでしょうか?それは、参加者に拾った海ごみを自分の手で新たなものに生まれ変わらせることができたという実体験を与えることができるからだと我々は考えています。このような実体験から、リサイクルの精神をより親近感を持って伝えることができます。また、アートそれ自体も持ち帰ってもらうことで、自宅において実体験という濃い思い出を伴った環境問題を意識するリマインダーとなりえるのです。
⑤インクルーシブ(Inclusive)な社会のために
また、海ゴミアート教育プロジェクトは、ボーイスカウト教育、ひいては現代社会が志向しているインクルーシブ(包括的・様々な個人を受け入れる・個人の違いを受容する)な社会に貢献できると考えています。まず、アートは個人の想像力に基づいて作ってもらい、個人の感性を表現するわけです。これにより、個人の違いがアート作品を通じて表面化されることになります。加えて、海ごみをアートにする際の使用方法については、概ね制限はなく、自由に作ってもらうことになっています。よってアートによって表面化した違いを自由に作ってもらうことで尊重し制限なく表明することができます。このようにして、インクルーシブな社会を本活動のワークショップの場で体現し感じてもらうことができるのではないでしょうか。
大阪・関西万博2025に向けて
海ごみアート教育プロジェクトは、活動当初から、大阪・関西万博2025に参加して、社会に広めることを1つのマイルストーンとしてきました。では、本章では、万博参加まで具体的にどのような活動を行ってきたかをご紹介します。
【活動実績】
2022年11月 海ごみアート勉強会(海ごみアート教育プロジェクトのスタート)
その後
団体内ワークショップ(ワークショップの訓練・試行の場)・・・計6回
外部イベントでの発表(万博関連イベントなどに参加)・・・・・計3回
外部向けワークショップ(ワークショップの実践の場)・・・・・計4回
うちボーイスカウト団体との活動・・・・・計2回
企業による環境イベントへの参加・・・計2回
上記のワークショップは2024年11月まで行ってきました。
そして、2024年12月下旬に選考を経て万博に阪大ローバースが参加できることが正式決定しました。
ここから万博参加当日に向けて準備の日々が始まるわけですが、何事もまずは情報収集をしなければならない!と考え、万博参加者向けの事前イベントや万博のテストランに参加しました。
事前イベントは2月に万博会場である夢洲にほど近い会場で行われました。この時には、展示で使うことができる什器を確認するとともに、他の参加者がどのように発表を行う予定なのか視察することが目的でありました。参加してみると様々な団体がいのちかがやく未来社会に向けて自分たちの技術や活動をどのように活かしたいか紹介していました。この様子に我々も刺激をもらい、万博当日にむけてどのように自分たちの活動を知ってもらうべきなのか考えなければならないという気持ちが強くなりました。また、万博という世界的なイベントに参加できることは、他の参加者の皆さんとも今後海ごみアート教育プロジェクトを通してコラボレーションできないかと模索するいい機会であることも強く実感し、万博参加の大きな意義も感じました。

万博のテストランは4月の初週の土日に行われました。こちらは、参加当日に活動するパビリオンがどのような場所でどのような規模の展示ができるのか・発表ができるのか確認することが目的でありました。当日の会場となっていた「TEAM EXPOパビリオン」の雰囲気や大きさを実際に見て感じることで参加当日のイメージが鮮明になりました。また、当日をイメージした動線の確認もできたことも大きな収穫でした。これによってより具体的な準備に移行していくことができました。

情報収集の後の準備としては、まず、万博会場において「何を展示して発表すべきか」考えることから始まりました。万博会場にはボーイスカウトにかかわっている人のみならず、ボーイスカウトを全く知らない人が多く来場します。そのため、自分たちの頭にある情報を整理し、どこから説明をしなければならないのか見直さなければなりませんでした。この「当然であったことは果たして一般的に当然なのか疑う」ことは、客観性が求められ、非常に難しい作業でした。ゆえに、時には団体外の人にも意見を頂きながら、発表のためのスライドを作成したり、当日の展示レイアウトを考案したりしました。発表の構成としては、最終的に、ボーイスカウトとは何かから説明しつつ、ボーイスカウト×SDGsという社会的にわかりやすいものと組み合わせて説明することで興味を引き付け、海ごみアート教育プロジェクトの話題へと持っていくことになりました。展示に関しても、実際に海ごみを展示したり、海ごみを用いたモザイクアートを作成したりすることで、注目を集めるとともに海ごみを身近に感じてもらえるのではないかということになりました。
さらに、発表資料を作成するにあたって、海ごみアート教育プロジェクトの今までとその後を具に整理することも必要でした。もちろん、目的・目標はメンバー内で共有していたわけですが、言語化して他人に伝えるとなると話は別です。他人が聞いても腹落ちするよう、海ごみアート教育プロジェクトに込められた理念を再確認して活動が過去→現在→未来へとどのように遷移してきたのか・今後どのように遷移していくのかを明確にするため話し合う会議を行いました。これにより、万博会場において話す内容がより洗練されたと思います。
最後(参加当日の約1か月前)に、実際に展示するものの最終確認・作成を行いました。近くの公民館の一室を借りて集まり、発表原稿の確認・発表の練習を行ったり、モザイクアートを作成したりしました。この時期になると、いよいよ万博に参加することを実感し緊張感が高まっていきました。これ以降は、当日の内容を少しでもいいものにするために、ひとつでも多くアイデアを出し合って準備していました。連日のように連絡を取り合い会議をしてブラッシュアップをする、そのような日々の積み重ねであったように記憶しています。


万博参加当日の様子
万博参加当日のスケジュール
| 参加内容 | 時間 |
|---|---|
| 展示準備 | 9:00ごろ~10:00(約1h) |
| ブース展示 | 10:00~20:00(10h) |
| ステージ発表 | 16:00~16:30(30m) |
| 展示片付け | 20:00~21:00ごろ(約1h) |
9月21日当日となりました。この日は8:30ごろに夢洲駅に集合し、会場に入りました。スタッフ専用の出入り口から入ることができたため、特別なことをしているという高揚感やついに当日になったという興奮とともに、準備してきたことが本当にうまく行くのかという一抹の不安を抱えたまま大屋根リングをくぐりパビリオンに向かっていました。他のメンバーも緊張しながらもワクワクした表情であったことを鮮明に覚えています。
10時になるといよいよ来場者の方とご対面です。この展示をみてどのような言葉を発し、どのような反応をしてくれるのだろうか・・・。懸命に呼びかけ・アピールを行い、阪大ローバースの展示ブースに来てもらうと、我々の不安は飛んでしまうほどに肯定的な反応や応援の言葉をもらうことができました。またモザイクアートを写真に収める方も多くいて、海ごみでできていることを伝えると驚いた表情を見せてくれ、海ごみを身近に感じてもらうということは達成できたのではないでしょうか。また、展示を見ながら多くの人が海ごみ問題を思い出してくれたようで、意識向上に努めることもできました。さらに大学生のボーイスカウトが海ごみの問題に関する活動を行っているということも多くの人に知ってもらえることができました。

ステージ発表では、約20席あったのがすべて埋まり、立ち見をしてくださる方もいるほどでした。代表の3名が、約20分間をかけ、ボーイスカウトや海ごみアート教育プロジェクトについて説明を行いました。私自身も発表に参加したのですが、とても緊張しながらもメンバーたちの応援の言葉や代表していることの誇りをもって登壇しました。原稿も資料も用意はしてありましたが、その時々で聴衆の皆さんの表情も確認しながら丁寧に話すことを心がけました。終わってから反応を聞いてみると、自分たちの伝えたかった内容が伝わっていたようで、とても安心しました。

【万博に参加したメンバーからのレポート】
- 多くの来場者にボーイスカウト活動を知ってもらう良い機会となった。スカウト関係者に限らず、幅広い層の人々に関心を寄せてもらえた点もよかった。活動内容そのものに魅力を感じてもらい、「流石ボーイスカウト、良い活動をしていますね」といった評価をいただくことができた。
- ブース展示の場所の都合上もっと人が少ないのかと思っていたが、多くの人が訪れ呼び込みを行わずとも展示を見てくれる方も多く、とてもありがたかった。
- 想像以上に親子連れの多くの方が興味を持ってくださったので、海ごみの活動の効果を少し期待できました。ステージ発表では最後に要点をまとめて話す工夫をしました。発表中には、もう少し明るい表情で話すと声が出やすかったのかなと後で気づきました。
- スカウト関係者が声をかけてくれた時は刺激になりましたし、個人的には子供たちが少しでも関心を持ってくれてたのが説明していてやり甲斐があるなと感じました。
- ガール、ボーイスカウト、阪大の卒業生など、私たちと共通点をもった方達がたくさん声をかけて活動に関心を持ってくださったのが嬉しかった。今後また制服を着て外に出向いていく機会があれば、そこで作ったコネクションを次の活動にまた繋げられるような方法を考えたい。また、海ごみや水質汚染に対してご意見を述べてくださった方を数名見かけたので、私たちの活動についてだけでなく、環境問題についての一般常識を私たちが知っておくのも大切であると思った。
「海ごみアート教育プロジェクト」の今後
①ワークショップの継続
これからもワークショップを継続して行い、環境奉仕活動を行いつつ教育プログラム策定のための試行錯誤をしていきます。また、万博に参加した利点を生かし、様々な環境・教育団体や環境関連企業とコラボをして様々な地域において「海ごみアート教育プロジェクト」を開催できればと考えています。(すでに万博会場にてお声がけいただき、次のワークショップへと動き出しています!)
②教育プログラムの策定
教育プログラムは2028年完成を目指しています。このプログラムによって、地域にかかわらずボーイスカウト・その他教育団体が自主的に海ごみアート教育プロジェクトに取り組めるのではないかと考えています。ぜひ完成の告知を楽しみにしていてください!
③海外スカウトと交流(インドネシアを予定)
ボーイスカウトのネットワークを生かして、国境を超え、海ごみアート教育プロジェクトを海外にも展開していく予定です。具体的には、院生の方の伝手で、インドネシアの大学生とのコラボを考えています。もちろん実現までには様々な障壁があるとは思いますが、必ずや実現したいと考えいます!
最後に・・・
ここまでお読みいただきありがとうございました!
大阪大学ローバースの「海ごみアート教育プロジェクト」はまだまだ続いていきます!ぜひローバースカウトの皆さんも一緒に活動しませんか?自団のビーバースカウト・カブスカウトに対して我々とともにワークショップを運営するという形でも、ローバースカウトの皆さんが海ごみアート教育プロジェクトのワークショップを体験していただくという形でも大歓迎です!
これからも大阪大学ローバースをよろしくお願いいたします!