こんにちは!明治大学体育会ローバースカウト部です。
私たちは、今年度の8月22日から31日にかけて北海道にて夏季合宿を行いました。
今回は標茶~摩周~網走をコースに設定し、徒歩総移動距離はなんと152.3キロ!夏季合宿は心身ともにかなり過酷である分、部員一同がよりいっそう気合いを入れて臨む一大行事でもあります。そんな当部の合宿のもう一つの大きな特徴は、計画から運営まですべて学生主体で行う点です。
今回は、そんな夏季合宿が実施されるまでの「準備」にスポットを当てていきたいと思います!
夏季合宿担当チームの紹介
当部では、3年生が幹部として合宿の計画と全体運営を担います。その中心となるのが「合宿担当者」です。合宿ごとに3年生数名で構成される担当チームを結成し、それぞれの役割に基づいて準備を進めます。
担当者の役割には、合宿全体を指揮する合宿責任者をはじめ、以下のようなポジションがあります。
・プログラム実施責任者:プログラム内容の検討、計画書作成、使用する備品の用意、当日の運営
・会計担当:予算を立て、費用を管理
・危機管理担当:安全対策や緊急時対応を計画
・食料担当:10日分の献立作成や食材発注・管理
・装備担当:必要な装備品の準備・管理
・記録担当:毎会議の議事録作成、計画書や報告書の作成・管理、合宿中の様子を写真に記録
また、合宿を形にするまでには、コース設定、キャンプ場や銭湯などの利用施設への連絡、主に安全管理を目的とした現地への下見、プログラム検討、大学側に提出する計画書作成など多岐にわたる準備が必要です。これらを分担し、約半年間かけて取り組むことで合宿を完成させます。
合宿の準備は正直かなり大変ですが、その分、やりがいや責任感をもちながら仲間と協力し一つの目標を成し遂げた達成感は非常に大きいです。班でハイクを行う1、2年生の頃とはまた違った意味で、自身の成長を実感できる特別な経験となります。
↑今年度夏季合宿担当チーム。一番左下は今年度夏季合宿責任者の竹下優太。
↑担当者会議の様子
今年度の夏季合宿テーマと担当者の想い
今年度の夏季合宿テーマは「Always – いつもいつまでも -」
過酷な状況化こそ「いつも」そばにいる部員と励まし合い、「いつも」仲間のために気を配り合いながら、1つのゴールを目指す協調性や、決してあきらめず前へと進む精神力を養うこと。そして、多くの苦楽を経験した部員達が、ゴールをした瞬間に人生最高の達成感を味わい、部員にとって人生最高の思い出として「いつまでも」遺る夏季合宿を創り上げたい。このテーマにはそんな思いが込められています。
私たち夏季合宿担当者が合宿を作るうえで、最も大切にしたのは後輩たちが最高の「達成感」を得られる合宿にすることです。しかし、何をもって「達成感」とするのか。その基準は部員によってそれぞれです。この「達成感」の定義は担当者間でも意見が割れ、計画が始まったばかりの今年3月、私たちはこれについて1時間以上話し合いました。そして私たちがたどり着いた結論は、「自分自身が設定した目標にゴールすること」でした。
議論当初、担当者の間では、コースを例年よりハードに設定することで達成感を高める案も出ました。しかし、私たちの目指す「達成感」とは課題の難易度に依存するものではなく、目標達成を通じた自己の成長によるものだと考えました。たとえ昨年と同レベルのコース設定であっても、部員一人一人が具体的な目標をもって臨めば、その合宿は全く異なる経験となります。だからこそ、合宿内容に大きな変化を加えることよりも、部員が個人の目標をもてるよう私たちが働きかけることを重視しました。この議論で得た考え方は、その後の夏季合宿をつくりあげていく上で最も大切な軸となりました。
目標に対する具体的な取り組み
部員が個人の目標をもてるよう行ったサポートの一つには、各活動後に振り返りを行う取り組みがあります。当部には夏季合宿の前に、長距離ハイクや野営活動の基礎を身につけることを目的とした訓練合宿が計4回あります。この各合宿終了後のミーティングにて、「やったこと」「わかったこと」「次やること」の3つを軸に班や自分自身の振り返りを行ってもらいました。振り返る際はワークシートに記入しながら進めることで反省を可視化し、さらにそれを部員同士で共有することで、夏季合宿を見据えた自身の克服したい課題を明確にすることを目的とし、実施しました。
また、記入したワークシートは回収し、幹部全員がしっかりと目を通したうえでコメントやアドバイスをフィードバックするようにしました。この取組は初めて行うものだからこそ、しっかりと機能し継続していける取り組みになるよう、後輩たちにやらせっぱなしにするのではなく、幹部一同真剣に向き合う姿勢を大切にしました。
感想
今年度夏季合宿を実施するにあたり、担当者を中心に幹部一同「部員が自身の目標に向き合う過程を通して達成感を感じられる合宿にしたい」という軸をもち、また、それに対し具体的な取り組みをもって向き合い続けてきました。その結果、無事にゴールテープを切った部員たちは非常に生き生きとした表情を見せ、目標に向け全力で挑戦をし、達成感を味わう姿を目の当たりにすることができました。また、私たち幹部自身もこの目標を共有し、支え合いながら合宿を成功させたことで最高の達成感を得ることができました。
計画段階や当日運営をする中で、方向性を決定しなければならない場面や判断に迷う局面もありましたが、この軸に立ち返えることで、一貫性のある合宿を創り上げることができたと考えています。
どれだけ入念に準備をしても、当日のイレギュラーや反省点が全くないということはありません。しかし、そうした課題と真摯に向き合い、次に生かしていく姿勢こそが、私たち明大ローバーの活動の醍醐味であり、成長の原動力だと思っています。
これからもこの経験を糧に、さらなる挑戦を続けていきます!
明治大学体育会ローバースカウト部
3年松岡歩佳